豊かな森林と山林に囲まれた奥会津。400年にも渡って暮らしの中で受け継がれてきた手仕事が生み出す美しい暮らしの道具をご紹介します。奥会津には、古くから編組細工の伝統が宿っています。季節が冬へと変わり、周りが雪景色になると農作業を終えたおじいちゃんやおばあちゃんは、丁寧に草木の皮や蔓を裂いて、揃えて、編んで巻いて、農作業に使える道具を作ってきました。マタタビ、ヒロロ、アケビ、山葡萄どれもこの地で取れる自然の恵みです。暮らしの中で生まれた、テマヒマかけて作った道具は、理にかない、機能的で、実はとても合理的な逸品なのです。
この機会にぜひ、奥会津に伝わる伝統工芸への旅を辿っていただければと思います。

奥会津には豊かな自然と共に暮らす人々の暮らしの知恵と伝統が息づいています。その自然の循環そのものに沿った暮らしのあり方は近年見直され、奥会津の町ではその伝承を守ろうという活動が起こっています。今回の展覧会では、その奥会津に伝わる草木の編み組細工やからむし織などを中心にご紹介したいと思います。その他、昨年も好評であった、会津木綿や古布を使ったお洋服など、テマヒマかけるからこそ美しい、そして機能美の宿る作品をぜひご覧ください。