第6回「私が感動した磐梯高原の風景」写真コンテストには、皆さまからたくさんのご応募をいただきまして、誠にありがとうございます。
「水中の報道写真家」としてご活躍されている中村征夫先生による厳正な審査の結果、多数の応募作品の中から、下記の6作品が優秀作品に選ばれました。選出された皆さま、おめでとうございます。
また、入賞作品を展示した「私が感動した磐梯高原の風景」写真展を10月1日(火)から2020年1月5日(日)まで開催いたします。 ぜひご来館の上、すばらしい作品の数々をご覧ください。
・期 間 2019年10月1日(火)~2020年1月5日(日)
・会 場 裏磐梯高原ホテル 多目的ホール
最優秀作品賞「ぼくの冬休み」 土屋恒輔 様
【中村先生のコメント】
真冬の3月に訪れたということは、正月も返上で仕事に追われていたのでしょうか。この作品からは、「この風景に会いたかった」という、作者の気持ちが伝わるようです。黒い縁取りの向こうに見える磐梯山も圧巻で、構図には抜群のセンスを感じました。
優秀作品賞「A Fairy Tale」 りお 様
【中村先生のコメント】
まさにタイトル通り、おとぎの世界に導かれていくような雰囲気を感じさせます。アジサイを手前に配置したのも効果的で、この先に向かえばさらに幻想的な世界が待ち受けている・・・そんな期待感を抱かせるとてもセンスの良い作品です。
優秀作品賞「黄金に輝いて」 吉田政孝 様
【中村先生のコメント】
「裏磐梯火の山まつり」のイベントの目玉、桧原湖で打ち上げられた花火だそうです。湖面を赤く染めるほどの花火が次々と大空を彩り、それを眺める人々の歓声が聞こえてくるようです。迫力と美しさに魅了されました。
優秀作品賞「秋を絡って」 福本靖彦 様
【中村先生のコメント】
駐車場からホテルに向う途中、思わず目に飛び込んできた景色だそうです。秋でなければ見逃してしまいがちな雑木林も、今は一斉に色づき、植物たちは見て、撮ってと主張しているかのようです。被写体はどこにでも点在していることを、作者は気づかせてくれました。
優秀作品賞「初夏天雲」 臼井孝 様
【中村先生のコメント】
夜空に独特のシルエットをみせる磐梯山。その頭上に広がる満天の星と天の川。もうこれ以上の景色は必要ないでしょう。通過する雲も動感があり、まさに静と動が表現された見事な作品です。一つ残念なのはライトアップされた木々の処理です。ほんの少し上から撮られていたらと悔やまれます。
優秀作品賞「時の移ろい」 高塚央 様
【中村先生のコメント】
まだ盛りの紅葉と落ち葉との対比を、二分化して表現しています。とめどなく流れる水の流れを、長秒露光で柔らかく捉えることで、時間の経過を表しています。作品から作者のメッセージがよく伝わる秀作ですね。
中村征夫先生による審査風景
【総評】
「私が感動した磐梯高原の風景写真コンテスト」も、第6回目を迎えました。応募された方々から、「どんどん質が上がっていて」と言われるように、皆さんの撮影技術は確実に上達しています。今回も入賞作品を増やしたほどです。「上手だなあ」と思える作品もたくさんありましたが、しかし、うまいだけでは心に響きません。むしろ完璧ではないけれど、魅力を感じる作品も多々ありました。素敵なシーンに遭遇していても、あまりにピンボケなので選外となった作品もあります。カメラを手持ちで、安易に撮ってしまうんですね。三脚がないときは、木にカメラを押し当てるとか、自分の荷の上にカメラを置いて安定させるとか、とにかくなんでも三脚代わりに利用しましょう。さらにファインダーを覗いて余計なものをカットすることも忘れずに。作品の中に間(空間)を作ることも大事です。間によって、伸びやかな作品になることも多々あるのです。
中村征夫