第7回「私が感動した磐梯高原の風景」写真コンテストには、皆さまからたくさんのご応募をいただきまして、誠にありがとうございます。
「水中の報道写真家」としてご活躍されておられる中村征夫先生による厳正な審査の結果、多数の応募作品の中から、下記の作品が優秀作品に選ばれました。選出された皆さま、おめでとうございます。
また、入賞作品を展示した第7回「私が感動した磐梯高原の風景」写真展を10月1日(木)から2021年1月10日(日)まで開催いたします。 ぜひご来館の上、すばらしい作品の数々をご覧ください。
・会 期 2020年10月1日(木)~2021年1月10日(日)
・会 場 裏磐梯高原ホテル 多目的ホール
最優秀作品賞「トワイライト アワー」佐野洋一郎 様
【中村先生のコメント】
朝日や夕日の撮影のポイントは、夜明け前と日没後が最適と言えます。空や雲の色彩が刻々と変化する神秘的な情景。立ち込める霧や、湖面に映り込む空の反射は、早朝から訪れた佐野さんへの自然界からの贈りもののように思います。
優秀作品賞「花時雨」森の栞 様
【中村先生のコメント】
作品を見ていると、とても優しい気持ちにさせられます。春の息吹と新緑の香りが伝わってくるようです。雨が降ったり止んだりと、まさに花時雨のなか、とても素敵な構図で春を表現してくれました。
優秀作品賞「錦繍の流れ」河邊拓也 様
【中村先生のコメント】
燃えるような色合いを見せた植物たちも、晩秋を迎え色彩の競演に幕を下ろそうとしています。散り散りになった落ち葉を集め、この流れはどこに向かうのか。ゆったりとたゆたう織物のようで、タイトルとともに感銘を受けました。
優秀作品賞「浮かぶ櫛ヶ峰」池﨑太郎 様
【中村先生のコメント】
雪を抱いた櫛ヶ峰が、他の山々を圧するように堂々たる風格を見せています。主役の山は光と影をも味方につけました。この絶景に辿り着き、シャッターを切った池﨑さんの努力にも拍手です。
優秀作品賞「一片氷心」マンボウ 様
【中村先生のコメント】
二つの沼の色が絶妙な色合いです。難しい露出のシチュエーションですが、お見事と言わざるを得ません。見ている私も、濁りやけがれが薄れ、清らかな心に導かれていくようです。
優秀作品賞「真冬の月光」吉田政孝 様
【中村先生のコメント】
鳥居を手前に配置しての大胆な構図。真冬の夜のしばれるほどの冷気が作品から伝わってきます。長秒露光により雲で動きを表し、鳥居の照明も作品のイメージを損なわず的確です。とても品のある素晴らしい作品です。
支配人賞「緑を映す」中﨑方一 様
【支配人のコメント】
コバルトブルーが鮮烈に目に飛び込んできました。
沼の色合いと新緑のグリーン、白く変色した葉先のコントラストがとても美しい作品です。
ベストシーズン賞(春)「ほんのり染まる」さいらん 様
【中村先生のコメント】
桜峠一帯がピンク色に染まっています。枝ぶりが見事で、ほぼ満開に近い桜をやや左手に配置した構図が安定感を生み、静謐ながら力強い作品となっています。
ベストシーズン賞(夏)「青い沼」森田衡 様
【中村先生のコメント】
作者コメントには「きれいだったのでとりました」とあります。探勝路を散策し、木陰越しに見えた青沼の色合いに感銘を受けたのでしょう。9 歳(小学4年生)の素直な視点と、きれいと思える感性が何よりも素敵です。
ベストシーズン賞(秋)「夕暮れ」堀越靖 様
【中村先生のコメント】
日没後に撮ったとは思えない、燃えているような紅葉。長秒露光により、肉眼では見られない裏磐梯の荘厳な景観が浮かび上がりました。
ベストシーズン賞(冬)「ゆきやこんこ」今田みどり 様
【中村先生のコメント】
このようなシーンに出会うと、思わず口ずさみたくなる気持ち、よく解ります。しんしんと降る雪で一切の音がかき消され、周囲が静寂に包まれている様がよく伝わってくる作品です。
中村征夫先生による審査風景
【講評】
「私が感動した磐梯高原の風景」写真コンテストも、回を重ねるごとに充実し、審査にも熱が入りました。残念ながら入賞を逃した作品は、賞にも限りがあるため、実は泣く泣く推薦できなかったというのが実情です。
四季を通じて裏磐梯の魅力を活写する皆さんの作品に、思わず感嘆の声を発することもしばしば。被写体に対し、真摯な気持ちで対峙する皆さんの姿勢には感動させられます。
何に気持ちが揺さぶられるかは人それぞれ。世界に一枚しかないオリジナル作品制作のため、これからもカメラを片手に裏磐梯を訪れ、気負わずに楽しみながら旅を続けて欲しいと願っています。
写真家 中村征夫